【普通車】車の名義変更(移転登録)に必要な書類
目次
最短の時間と最小の労力で手続きするために
車を購入した入り、譲受けた場合は、新使用者の住所地(自宅などの使用の本拠の位置)を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で名義変更の手続きをする必要があります。
ディーラーや中古車店で購入した場合や行政書士に代行してもらう場合は、自分で名義変更の手続きをすることはありませんが、個人売買や親子間・親族間で代行を頼まずに名義変更する場合は自分ですべての書類を準備し、手続きすることが求められます。
特に昨今はインターネットを通じで行う個人売買が盛んなこともあり、すべての手続きを購入者自身で行うケースが多くなっています(代行を頼まない場合)。
行政書士に手続きの代行を依頼した場合は、分からないことや必要書類について細かく教えてもらえますし、実際の手続きについては、車庫証明の申請・取得から名義変更まですべての手続きを行政書士が行います。
ただ、すべて自分(新所有者または新使用者)で行う場合は運輸支局や警察署に確認をしたり、ネットで調べたりと多くの時間を割く必要が出てきます。それに加えて、実際に書類を準備・作成したり、車庫証明の申請・取得、そして最後に名義変更の手続きとやることが盛りだくさんです。
そこで、ここでは名義変更の手続きを少しでもスムーズに進められるように、書類の準備に焦点をあてて解説したいと思います。
名義変更を自分でされる方は滞りなく書類を準備することで、最短の時間と最小の労力で手続きを完了することができます。
ぜひ、以下の必要書類を参考にスムーズに準備を進めて下さい。
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自分で名義変更するときの必要書類
自分で名義変更するときに必要となる書類は次の通りです。
新所有者と新使用者が同じときと異なるときで準備する書類に違いがありますので注意して下さい。
新所有者が個人の場合、通常は新所有者と新使用者は同じになることが多いかと思います。
新所有者と新使用者が異なるケースとしては、車を親の名義で購入して子が使用する場合に「親を所有者、子を使用者として登録」するケースが考えられます。このようなケースに当てはまる場合は、新所有者と新使用者が異なります。
新所有者・新使用者が同じ場合の必要書類
新所有者・新使用者が同じ場合は、新所有者(=新使用者)が下記の書類を準備・作成します。
個人の場合は、新所有者と新使用者が同じケースが多いかと思います。
新所有者・新使用者が異なる場合の必要書類
新所有者と新使用者のそれぞれが次の書類を準備・作成します。
ここでは新所有者が運輸支局等での名義変更手続きを行うことを想定した場合のそれぞれの必要書類となります。
新使用者が手続きを行う場合は「※印」の書類は新所有者のものは新使用者が、新使用者ものは新所有者が準備・作成する書類として入れ替えて下さい。
管轄変更や希望ナンバーにする場合はナンバープレートも必要
管轄変更や希望ナンバーにする場合は、手続きの際に現在付いているナンバープレートを返納して新しいナンバープレートの交付を受けることになります。
そのため、ナンバーが変更になる場合は、ナンバープレートを取り外して書類と一緒に持っていく必要があります。
注意すべきは、軽自動車のようにナンバープレートを持ち帰り取り付けて完了というわけにはいかないことです。
新しいナンバープレートの交付を受けたら、自分でナンバーを取り付けて、最後に運輸支局内の封印場で後部ナンバープレートに封印を取り付けてもらわなければいけません。
普通車等では後部ナンバーの左上に管轄の文字(福岡運輸支局管内は「福岡」の文字)が記されたキャップのようなものが付いています。それが封印です。
封印は、専門の職員(封印取付受託者)しか取り付けることができないため、必ず車を運輸支局に持ち込んだ上で手続きする必要があるのです。
名義変更する車に乗って行かなかったら出直しになるので、ナンバーが変更になる場合は十分に注意して下さい。
名義変更や住所変更等の手続きを自分で行わず行政書士に依頼する場合は、車を自宅等に置いたまま封印を受けることができる「出張封印」を利用することができます。また、状況に応じて他県に車を置いたままナンバー交換・封印を行うことができる封印再々委託(資格を持つ行政書士間で委託して行う封印)も運輸支局等に車を持ち込むことなく封印を受けることができます。
必要書類ポイント解説
特に注意を要する書類について、ポイントを解説します。
譲渡証明書
譲渡証明書は、旧所有者に実印を押してもらい、送付または手渡しにより提供してもらいます。
ディーラーや中古車販売店から購入し、自分で名義変更するた場合は、「自分で手続きするので名義変更に必要な書類を送って欲しい」旨を伝えれば、押印済みの譲渡証明書ほか印鑑証明書などの一式を提供してもらえます。
個人間売買などの場合は、相手も不慣れな場合がありますので、旧所有者に準備してもらう書類を伝えて、提供してもらうようにして下さい。その際、旧所有者の車検証上の住所と現在(印鑑証明書)の住所が一致しているかを確認し、違っていれば別途住民票等も提供してもらうようにします。
なお、車検証は車に備え付けられていますので、通常は納車と同時に旧所有者から提供されることになるかと思います。そのため、名義変更の際は、その車検証を取り出し、他の書類とまとめて手続きの際に提出することになります。
譲渡証明書の書き方はこちらのPDFをご覧下さい。提供された際に空欄になっている部分は自分で記入し完成させます。
車庫証明書
一部例外はありますが、名義変更する際は、ほとんどのケースで車庫証明が必要になります。
(例外:新所有者の印鑑証明書記載の住所と車検証記載の住所が同じ場合は車庫証明書の添付が省略可能。同居の家族間での名義変更、所有権解除など)
書類の作成自体は特に難しいものではありませんが、管理会社等に使用承諾書を発行してもらったり、警察署に申請と受取の2回出向く必要があったりと意外に面倒で、取得までに時間を要する書類でもあります。
特に使用承諾書は手元に届くまでにある程度期間がかかりますので、早めに手配することをおすすめします。自己所有(名義)の保管場所を使用するのであれば、自認書を自分で作成することになりますので、特に時間を要さずに用意できると思います。
車庫証明の取得方法や必要書類は「【福岡県版】自分でできる!車庫証明の取り方と手続きの流れ」をご覧下さい。
車庫証明書の準備は他の書類と同時並行で進めても、個別に進めても構いません(運輸支局等での手続きの際にすべての書類が揃っていれば問題ないため)。ただ、車庫証明の有効期間が「おおむね1ヶ月」となっていますので、期間にだけは注意して下さい。(現在は、コロナ禍の特例として有効期間が延長されています。2021年8月現在)
(移転登録)申請書/OCR第1号様式
名義変更(移転登録)の申請書は、運輸支局に備え付けれれている「OCR第1号様式」を使用します。
そのため、通常は運輸支局に行って記入するものなので事前に用意する必要はありません。
先に運輸支局で用紙を取得し、事前に記入して持参しても構いません。ただ、不明な点や間違いがあった場合は結局余計な時間がかかってしまうので、初めて手続きする際は実際の手続き時に記入例や相談窓口を活用し、その場で作成した方が無難です。
運輸支局では記入例があることもちろん、相談窓口で丁寧に教えてもらえますので、事前の知識が無くても何とかなると思います。
自動車税・自動車取得税申告書
自動車税・自動車取得税申告書も「OCR第1号様式」同様、実際の手続き時に現場で記入します。
先に用紙を取得し、事前に記入して持参することもできますが、申請書同様、実際の手続き時に記入例や窓口を活用し、その場で作成した方がよいでしょう。
申告書の用紙は、運輸支局内の県税事務所に備え付けてありますので記入例を参考に作成します。分からないことがあれば窓口の方に聞けば丁寧に教えてもらえます。
複雑に思える書類の準備。だけど・・・
以上のように普通車等(登録車)の名義変更には様々な書類が必要となります。
特に旧所有者から提供してもらう書類や車庫証明で必要な使用承諾書は自分だけでは揃えることができない書類です。そのため、旧所有者や管理会社等との連絡、連携が欠かせません。書類の準備の中ではこの点がもっとも大変な部分かも知れません。
ただ、一つ一つの書類を丁寧に揃えていけば必ずゴールにたどり着きます。
複雑に思える書類の準備も個別にみていくと決してそうではないことに気付くはずです。
書類の準備がうまくいくことで、あなたの手続きがスムーズにいくことを心から願っています。