供託と保証協会への加入について

ご案内
保証協会加入

宅建業を開始できるのは、宅建業免許が交付されてからです。
(免許通知が届いたときは、宅建業免許は取得できていますが免許証は交付されてない状態です)

審査が済んで免許通知が届いたから、「すぐに営業を開始しよう!」というわけにはいかず、もう1ステップ踏む必要があります。

免許の交付に必要なのが、(1)(2)のいずれかの手続きを行うことです。

(1)供託所への供託
又は
(2)保証協会への加入

免許通知が届いたのち、供託の場合は営業保証金の供託、保証協会加入の場合は弁済業務保証金分担金を納付することで供託又は加入の手続きがなされます。いずれかの手続きが完了したのち、都道府県知事又は国土交通大臣に届出をすることで免許証が交付され、宅建業の営業を開始できることになります。

なぜこのような仕組みがあるのかと言うと、端的に言うと不動産取引の事故に際して、取引相手を保護するためです。不動産取引の安全を確保するための制度であると言えます。

不動産取引においては取引額が高額になることも多く、債務不履行等の事故があった場合に取引相手が多額の損害を被ることがあります。そのような不測の事態に備えて、あらかじめ一定の金銭を供託・納付しておくことで不動産取引によって生じた債務を一定の範囲で担保し、損害が生じた場合は当該損害に係る金銭の還付を受けることができるようになっているわけです。

状況に応じて供託か保証協会への加入を選択して、金銭を納める必要がありますが、免許日から3ヶ月以内に手続きを完了し、届出をする必要があります。もし、3ヶ月以内に届出をしない場合は、行政庁より催告を受け、催告が到達した時から1ヶ月以内に届出をしなければ免許を取り消すことができるとされています。

ほとんどの場合、免許通知を受けて速やかに保証協会への加入を行うため問題ありませんが、営業開始のタイミングを遅らせる事情がある場合は届出の期間に十分注意する必要があります。

(1)供託所への供託について

供託金の額は、主たる事務所(本店)が1,000万円、従たる事務所(支店等)が500万円(1店につき)です。主たる事務所の所在地を管轄する供託所にて営業保証金を供託します。

主たる事務所
(本店)
従たる事務所
(支店)
営業保証金
(供託額)
1,000万円 500万円
(1店につき)

供託の際に持参する物は、供託物(現金等)、供託者の印鑑(免許申請時の印鑑)、免許通知はがき等です。

供託が完了したら、営業保証金供託済届出書(2通)に供託書(原本と写し)を添付して都道府県知事又は国土交通大臣に届出して、免許証を受領します。その際、免許通知のはがきも持参します。

(2)保証協会への加入について

保証協会には、全国宅地建物取引業保証協会(ハトのマーク)と不動産保証協会(ウサギのマーク)の2つの団体があります。

弁済業務保証金分担金を納付し、加入することで保証協会の社員(構成員)となり、営業保証金を供託する必要が無くなります。

最も大きなメリットは営業保証金(供託)に比べて、納付する金額が少なく済むことです。営業保証金(供託)は主たる事務所で1,000万円でしたが、保証協会の弁済業務保証金分担金は、主たる事務で60万円で済みます。1,000万円の営業保証金の代わりに保証協会に加入して60万円の弁済業務保証金分担金を納付することで営業保証金が免除されるわけです。

宅建業の開業に際しては、事務所の賃借、事務所設備、広告、開業案内など各種費用がかさみます。それに加えて1,000万円の営業保証金は大きな負担であることは言うまでもありません。そこで開業に際しての経済的負担を大きく減らすことができる保証協会に加入することで、宅建業に参入しやすい仕組みが作られています。

このように準備する費用が大幅に低減できることから、宅建業者においてはほとんどが保証協会への加入を選択しています。

主たる事務所
(本店)
従たる事務所
(支店)
弁済業務
保証金
分担金
60万円 30万円
(1店につき)

ただ、加入に際して入会金等の諸費用が別途かかりますので、実際に必要な費用はっそれらを加えた金額になります。おおよそ、弁済業務保証金分担金を含めて150~180万円程度になりますが、それでも営業保証金の供託に比べて大きく費用が低減されます。

保証協会に加入すると、金銭的負担を減らせるだけでなく様々な特典を受けることができます。

福岡県宅地建物取引業協会では、不動産情報サービス「ふれんず」や「西日本レインズ」を利用できます。また、PCを使った契約書や重要事項説明書などの書類作成支援、実務セミナーなど多様な特典があります。

詳しい特典内容はこちら(福岡県宅地建物取引業協会)>>

不動産保証協会・福岡県本部の特典は、契約書式のダウンロードや契約書類作成システムをはじめ、ホームページ作成ツールの提供、「西日本レインズ」の利用などがあります。

詳しい特典内容はこちら(不動産保証協会・福岡県本部)>>

なお、免許証を受領する際は、免許通知はがき及び全国宅地建物取引業保証協会の場合、「弁済業務保証金分担金納付書」の写し1通、不動産保証協会の場合、「弁済業務保証金分担金納付証明書」の原本を持参します。

各協会の詳細については、公式サイトをご覧ください。

公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会(ハトのマーク)
公益社団法人 不動産保証協会(ウサギのマーク)

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