車庫証明の申請で失敗しないためのチェックポイント
事前チェックでスムーズに車庫証明を取ろう
自分ではきちんと揃えたつもりでも、窓口で確認や書類の再提出を求められたり、提出後に電話での確認や書類の再提出を求められるケースがあります。
特に警察署まで足を運んだにも関わらず、書類の再提出を求められると再度書類を持参する手間が増えてしまうので避けたところです。
ただでさえ、車庫証明の取得には申請書等の提出と受取の2回、しかも平日の日中(福岡県は9時~16時)に警察署へ出向かなければならないため、できる限り最小限の労力で取得したいものです。
そこで、ここでは警察署からの問い合わせや再提出を求められるケースを中心に解説するとともに、そのようなことを未然に防ぐためのチェックポイントをご紹介します。
福岡県の申請で実際に私が経験してきたことをもとに解説していますので、福岡県で車庫証明を取られる際の参考にしていただければ幸いです。
個人・法人共通のチェックポイント
自認書なのか?使用承諾証明書なのか?
弊所への依頼で定期的に起こるのが、自認書と使用承諾証明書の取り違えです。
多いのは、使用承諾証明書を用意すべきところを自認書を用意してしまうケース。
特に一戸建ての場合、自分が住んでいる家(家族の持ち家)ということで感覚的に自認書を書いてしまうパターンが多いです。
自認書はあくまで保管場所が自分(申請者)名義の場合に「申請対象の保管場所は自分の土地・建物に間違いありません」ということを宣誓するための書面です。
そのため、申請者自身の名義でなければ、自認書ではなくその保管場所の所有者から使用承諾証明書を取らなければいけません。
なお、本人を含む複数人での共有の場合は、本人は「自認書」を用意し、その他共有者からは使用承諾証明書を書いてもらわなくてはなりません。
まとめると、自認書を用意するのは、保管場所が自分名義の土地・建物の場合だけ。
自分名義でなければ、その所有者(親族・管理会社等)に使用承諾証明書を書いてもらう(発行してもらう)必要があります。共有であれば、自認書+他の共有者の使用承諾証明書です。
賃貸の場合は、特殊な事情がない限り「使用承諾証明書」を用意する必要がありますので、自認書が出る幕はありません。
そのため、持ち家(特に一戸建て)に住んでいる場合は、誰が所有者(名義人)なのかをきちんと確認しておくことが必要です。例えば、父親名義であれば、父親に使用承諾証明書を書いてもらうことになります。
関連記事:なぜ、車庫証明の申請に「自認書」や「保管場所使用承諾証明書」が必要なの?
保管場所は自分名義なのか、他人名義(親族を含む)なのか、あるいは共有名義なのかを確認する。
●自己単独名義あれば「自認書」
●他人名義であれば「使用承諾証明書」
●自分を含み共有名義であれば自分は「自認書」とその他共有者からは「使用承諾証明書」
●他人名義でそれが共有であればすべての共有者から「使用承諾証明書」
これら状況に合わせて書面を用意する。
保管場所の大きさが車の大きさよりも小さくないか?
これは買い替えの際に起こりがちなケースです。多くはありませんが、購入した車が下取り等に出す車よりも大きい場合は注意して下さい。
NGとなるのは、車を停めたときに車の一部が公道にはみ出てしまう場合です。
福岡県では必ず保管場所の調査が行われますので、現地での計測値が申請車両の大きさよりも小さく、公道にはみ出ることが明らかな場合は、保管場所の変更を求められることになります。
こうなると保管場所を変更する必要があり、現駐車場の解約、新駐車場の契約、車庫証明の再申請等、大変面倒なことになってしまうため避けたいところです。
なお、枠線等から多少はみ出てても、そのはみ出ている部分が私有地内(月極駐車場の敷地内など)で前後の車両の保管や区画への出し入れに支障がなければ特に問題となりません。
問題が起こりやすいのは、公道に面したすぐが駐車場になっているケースです。
その場合、車のボディが公道にかかってしまうとアウトです。例えば、保管場所の長さ(奥行)が5mで、その5mを超えたところが公道になっている場合、長さが5m超えの車で申請するとアウトとなります。
実際、以前警察署から電話があり、「調査したところ車が公道にはみ出るので申請した保管場所では車庫証明が交付できない」と指摘され、やむを得ずお客様に別の駐車場を確保していただいた事例がありました。このときは、一度申請を取り下げて、別の駐車場を契約しなおしてもらい再申請することで車庫証明を取りました。
このように保管場所の状況によって車庫証明が取れないこともありますので、公道に面している駐車場を契約している場合は、十分に注意して下さい。
公道に面している保管場所では、申請車両が公道にはみ出ないか確認する。
前車(代替車)があるのに申請書の前車欄を空欄にしていないか?
福岡県の申請では、申請車両の一つ前に別の車が申請の保管場所に停まっていた、または停まっている場合は、その車のナンバー情報(例:福岡330ね1234)を前車(同居の家族の車を含む)として申請書または所在図・配置図に記載する必要があります。
(逆に新しく借りた駐車場、または申請者本人や家族の車を一度も停めたことがない駐車場では前車欄は空欄とします)
申請の保管場所に前車がある(あった)場合は、警察署のデータに前車の情報が登録されています。そのため、前車の記載がないと保管場所に申請車両を駐車することができないと判断され車庫証明が下りません。
前車があるのに記入していなかった場合は、警察署から「申請の保管場所には車庫証明を取っている車がありますが、その車と入れ替えですか?」などといった形で確認の連絡が入ります。その際、入れ替えであれば、その車のナンバーを聞かれますので、前車のナンバーを伝えればOKです。
(当然ですが、入れ替えない場合は同じ区画に2台停められませんので、その保管場所では車庫証明を取ることはできません)
連絡があった際に電話に出られないなど、前車のナンバー確認に時間・日数を要してしまうと車庫証明の交付日が延長となる場合がありますので、交付日に休みを取っている場合や登録日が決まっている場合は注意して下さい。
前車の記載は法律上の要件ではないため、車庫証明が取れないといった大きな問題になることはありませんが、予定の変更などを未然に防ぐためにも、前車がある場合はきちんと記入しておくようにしましょう。
ただ、誤って別の区画の自分の車や2つ前の車のナンバーを記入してしまうことがないよう、前車(ひとつ前の車)のナンバーを正確に記入するようにして下さい。誤った記載で申請した場合、実際の前車を下取りに出した際の売買契約書や別の保管場所に移した車庫証明を求められることがありますので十分に注意して下さい。
また、申請保管場所に家族の車(前車)が停まっていたのに「新規」で申請してしまった場合も、その前車の移動先での車庫証明や売却していれば売買契約書などを求められることがあります。こうなると大変手間がかかりますので保管場所に家族の車停まっていたかどうかは入念に確認して下さい。家族の車(前車)が停まっていた場合は、「新規」ではなく「代替」で申請することを覚えておいて下さい。
なお、下取りや廃車済みであろうが(もう停まっていない)、納車と同時の入れ替えであろうが(まだ停まっている)、同じ保管場所に自分の車または同居家族の車(申請車両の一つ前)があった場合、それは前車となります。
関連記事:車庫証明申請書等(普通車)の書き方
前車がある場合は、そのナンバー情報を前車として正確に記載する。
申請車両がすでに停まっているのに申請書の現車欄を空欄にしていないか?
住所変更や名義変更前の納車などでは車庫証明を申請する車をすでに保管場所に停めていることもあると思います。
その場合は、申請書の現車欄または所在図・配置図に現車のナンバー情報を記載しておく必要があります。
記載しておらず、かつ調査の際にその車が停まっていたら間違いなく警察署から確認の連絡が入ります。
これは、現車情報の記載がないと警察署側ではどのような車両なのかの判断がつかないためです。(前車なのか?現車なのか?それとも無関係な車なのか?)
そのため、申請車両がすでに停まっている場合は、あらかじめ提出書類の中に(申請車両である)現車情報を記載して、お知らせしておくようにします。
現車の記載は法律上の要件ではないため、記載がないからといって不受理になったり、車庫証明が交付されないといったことはありません。ただ、上述の前車があるのに前車欄を空欄にしているときと同じように確認が取れるまで交付日が延長になることがありますので、現車が停まっている場合は、忘れずに記載しておくようにしましょう。
すでに申請車両を停めている場合は、そのナンバー情報を現車として正確に記載する。
前車・現車・代車でもない申請に無関係な車を停めていないか?
申請する保管場所に前車でも現車でもない無関係な車(未申告車)が調査の際に停まっていたら、警察署より確認の連絡が入ります。申請内容から保管場所は空の状態であるはずなのに、申告されていない車が停まっていたら警察も見過ごすことはできません。
現車があることを記載し忘れていた、友人が遊びにきていて一時的に停めていたなど、理由やその車のナンバー情報を伝えれば問題ありませんが、理由が曖昧だと疑念を持たれその車の状況を詳しく確認される場合もあります。そうなると交付日が延長になることもあるため、予定が崩れてしまい兼ねません。
また、上述の前車欄や現車欄が空欄の場合同様、仕事中などで警察署からの電話を取れず、折り返しの連絡が翌日以降になってしまった場合は、交付日が延長になることがあります。
そのため、少なくとも車庫証明が交付されるまで(※)は、無用な対応を回避するためにも無関係の車は停めないようにしておくことが肝要です。保管場所を空の状態にしてくか、関係ある車が停まっているのであれば、きとんと前車や現車としてナンバー情報を申請書等に記載しておくようにします。
(※)車庫証明を取っている保管場所に恒常的に無関係の車を停めることはできません。ただ、車庫証明取得後に友人が遊びにきたときに一時的にその友人の車を停めて、自分の車はその間コインパーキングに停めておくといったことは問題ないでしょう。
なお、納車前に下取りを出した場合など、納車まで代車を借りて停めている場合は、そのナンバー情報を所在図・配置図に記載しておくとよいでしょう。(例:代車駐車中「福岡520せ****」/申請車両納車時に返却)
保管場所に無関係の車を停めていないか?
車庫証明が交付されるまでは、一時的でも無関係の車は停めないようにする。
申請書の「自動車の大きさ」欄を小数点以下まで記入していないか?
特に新車の場合に起こりやすいのが、申請書の「自動車の大きさ」欄に小数点以下まで記載してしまうケースです。この場合、申請した際に警察署で訂正を求められることがあります。
と言っても、今は訂正に訂正印は不要で、その場で小数点以下を二重線で消して訂正することができますので、一度持ち帰って再提出といったことはなく、特に問題になることはありません。
「スムーズに申請する上では小数点以下は記入しないようにした方がよい」くらいに考えていただければと思います。
もっとも小数点以下の取り扱いは、訂正を求められる警察署もあれば、そのままスルーする警察署もあり対応に違いがありますので、必ずそうしなければダメといったことでもありません。
また、小数点以下を記入している車庫証明書でも、小数点以下をカットしたとき(無いものとみなしたとき)に車検証記載のサイズになるのであれば運輸支局等での登録の際に問題になることはありません。
ただ、車庫証明書記載のサイズと実際のサイズが全く異なっている場合は、認められない可能性がありますので、車庫証明の申請書には正確なサイズを記入するようにしましょう。
認められなかったら車庫証明を取りなおしになってしまいますので十分にご注意下さい。
もとから誤ったサイズを記載している場合は小数点以下を消しても登録の際には認められないことがありますので、小数点以下のありなしに関わらず、正確なサイズを記載することが大切です。
なお、名義変更や住所変更等の場合は、車検証に記載されているサイズをそのまま記載すればいいので小数点以下云々の問題は通常起こりませんが、数字の間違いは起こる可能性がありますので、転記ミズがないよう入念に確認されて下さい。
正確な情報の記載については、自動車の大きさだけでなく申請書記載の情報すべてに当てはまります。特に車台番号は警察署の方でその正確性を確認できません。そのため、登録の際に車台番号に誤りのある車庫証明書を提出してしまうこともあり得え、認められなかった場合は車庫証明の取り直しです。そうならないために申請書記載の情報は入念に確認し、できれば家族などの協力を得てダブルチェックすることが望まれます。
申請書の「自動車の大きさ」欄の数値には、小数点以下を記載しないようにした方が無難。
小数点以下のありなしに関わらず、正確なサイズを記載する。確認は入念に。
申請書に日付を記入していないか?
日付欄は、基本的には空欄にして提出し、警察署の方で日付スタンプを押してもらいます。
空欄にしておくのは、自動車保管場所証明申請書(1枚目と2枚目)には申請日を記入し、保管場所標章交付申請書(3枚目と4枚目)には保管場所標章の交付日を記入する必要があるためです。
このことから自動車保管場所証明申請書のみに申請日当日の日付を記入することは問題ありませんが、記入日など過去の日付を記入していたり、保管場所標章交付申請書に日付を記入している場合は訂正を求められることになります。
もっとも、現在は日付部分を二重線で消すだけで訂正できるため、大事に至ることはないかと思います。
ただ、余計な手間を増やさないためにも日付欄は空欄にして出すのがスマートな方法になります。
申請書の日付欄は空欄にして提出する。
所在証明は最新のものであるか?
所在証明は、主に「申請者」と「使用の本拠の位置」の住所が異なるときに使用の本拠の位置に活動拠点または生活拠点が存在するのかを疎明するために提出する書面です。主に公共料金の領収書や消印付きの郵便物が用いられます。所在証明の内容については、「車庫証明の所在証明に使える書類は何?」をご覧下さい。
この所在証明は法律で定められた提出書類ではないため、添付しなくても受理されますが、結局のところ使用の本拠の位置で活動していることが警察署の方で確認できなければ提出を求められることになるため、二度手間にならないためにも提出しておいた方が安心です。
所在証明で問題となるのが、発行日や消印日です。
警察署によって取り扱いが異なりますが、3ヶ月以上前の日付のものなど日付が古いものは認められないことがあります。認められなかった場合は、再度警察署に出向き2回のところを3回行く必要が出てきますし(再提出はFAXでOKの警察署もあります)、手間も増えてしまいます。
そのため、できるかぎり公共料金の領収証であれば最新もの、消印付き郵便物であれば1ヶ月以内のものを提出するようにしましょう。
公共料金の領収書や消印付きの郵便物は、できるかぎり最新のものを用意する。
使用承諾書の使用開始日が未来の日付になっていないか?
使用承諾書の使用開始日に未来の日付が記入されていると、その日まで申請することができません。この場合、使用開始日以降の申請を求められます。
これは、使用開始日前に申請したとしても、まだ使用権原がない保管場所に車庫証明を与えることができないこと、そして申請者に使用権原がない場所を調査することができないためです。
そのため、使用開始日は必ず申請する日よりも過去の日付(申請日当日を含む)を記入してく必要があります。
ただ、警察署間で取り扱いが異なりますが、押印不要の関係で使用承諾書も二重線で消して訂正することができる場合があります。もし、未来の日付が記入されていて、すぐに申請する必要がある場合などは管轄の警察署に確認されて下さい。
使用承諾書の使用開始日は、過去の日付または申請日当日を記入する。
車庫にシャッターがある場合、調査の際に開けられる状況にあるか?
特に一戸建ての車庫のケースになりますが、車庫にシャッターがあり、調査の際にシャッターが閉まっていて寸法を計測できない場合は、再調査となります。再調査になると再調査の日によって交付日が延長となってしまうため注意する必要があります。
対処法としては、シャッターを開放できない場合は車庫証明を申請した日を含め2~3日(平日日中)は本人または家族が在宅し、調査がきたときにシャッターを開けられるようにしておくことです。
ただ、警察署ではいつ調査に行くのか具体的日時を教えてくれません。そのため、いつ来るかもわからないのにそのためだけに在宅することは難しいこともあるかと思います。
その場合は、調査が終わるまでシャッターを開放しておくようにします。防犯上の問題から難しい場合もあるかと思いますが、平日の日中は仕事などで誰も在宅していないような場合は、開放しておくしか方法がありません。防犯を疎かにしてまで開放を求められるのは腑に落ちない部分もありますが、保管場所を確認できなければ車庫証明が下りないとなれば従うしかありません。もっとも、警察署に電話して確認すれば、調査完了の有無は教えてもらえると思いますので、随時電話して調査が完了していればそのときにシャッターを閉めることはできます。
なお、具体的に日時は教えてもらえませんが、申請日当日~交付予定日の前営業日までの間にくることはほぼ間違いありません。つまり、確実といわけではありませんが交付予定日は除外してもいいのか思います。
(営業日とは、土日祝日・年末年始を除いた日のことです。例:月曜日の前営業日は前週の金曜日、月曜日の翌営業日は火曜日)
その中でも、経験に基づく参考レベルになりますが、中1日交付の警察署で午前中に申請した場合は申請日当日、午後の申請で翌営業日に調査にくることが多いです。中2日交付の場合は、午前申請で当日~翌営業日日中、午後申請で翌営業日~翌々営業日日中となります。
保証できるものではありませんが、この点を参考に在宅日またはシャッター開放日を決めていただければと思います。
どうしても在宅またはシャッターを開放できない場合は、警察署に事情を説明し相談してみて下さい。
車庫にシャッターがある場合は、在宅し調査の際に開けられるようにしておく。
または、調査完了までシャッターを開放しておく。
個人申請のチェックポイント
申請書の「保管場所の位置」に部屋番号も記入していないか?
無意識に記入していると起こりやすい間違いの一つが「保管場所の位置」に部屋番号を記入してしますケースです。
特にアパートやマンションなど住んでいるところに併設されている(住所が同じ)駐車場を使用する場合に起こりやすいケースだと言えます。
「保管場所の位置」は、あくまで保管場所がどこにあるのかを示すための住所で、申請者住所と同じように部屋番号まで記入してしまうと書類上は部屋の中に停めることになってしまいます。つまり、現実的に停めることができない場所で申請している状態となってしまうのです。
そのため、提出の際にそのような記載している場合は、正しい保管場所の位置、つまり住所に訂正する必要があります。
もっとも、持ち帰って訂正する必要はなくその場で部屋番号部分を二重線で消して訂正すればOKです。
面倒なことになるわけではありませんが、手続きをスムーズに進めるためにも「保管場所の位置」には部屋番号は記載しないようすることを覚えておいてください。
管理会社等から発行される使用承諾証明書に保管場所の位置が記載されている場合は、その住所をそのまま記載するとミスを防ぐことができます。ただ、まれに使用承諾証明書に記載されている保管場所の位置が間違っている場合がありますので、その住所が間違いないかの確認は入念にした方がよいでしょう。
申請書の「保管場所の位置」に部屋番号は記入しない。
自宅と保管場所の位置の住所が同じ場合、保管場所の位置に記入するのは番地まで。
申請者欄に住民登録のない単身赴任先の住所を記入していないか?
個人の場合、申請書の申請者欄に記入する住所は、住民登録している住所(住民票の住所)を記入する必要がありますが、そうでない住所を記入し申請してしまうケースがあります。
車庫証明の申請者欄に住民票の住所を記入しなければならないのは、車の名義変更や住所変更などの登録と深く関連しています。
まず言えるのは、「車検証上の使用者または使用者になる人」に対して車庫証明の取得・提出が義務付けられていること。
そして、登録の際にその使用者の住所・氏名を確認するための書類として添付しなければならないのが「住民票または印鑑証明書」(登録内容によって異なります)です。その住所・氏名が車検証に載ることになります。
そのため、車庫証明の申請者欄に住民登録のない住所を記入し、そのまま車庫証明が交付されてしまうと「車庫証明の申請者と車検証上の使用者」の同一性が担保できず、その車庫証明書は登録に使えないことになってしまうのです。こうなると登録ができませんので、車庫証明を取り直す必要があり、とても面倒なことになってしまいます。
このような住所の記載ミスは、単身赴任など住民登録の住所と実際に生活の拠点となっている住所(単身赴任先)が異なる場合に起こりやすいです。単身赴任先に住んでいるので、その住所を申請者の住所として記入してしまうことは当然あり得ることだからです。
なお、住民登録しているところを拠点に車を使うような一般的な申請では、申請者住所も使用の本拠の位置の住所も同じになるので問題になることはありません。いずれにも住民票の住所を記入すればOKです。
しかし、住民登録していない単身赴任先で車を使うケースでは、申請書の書き方と必要書類に注意が必要となります。
このようなケースでは申請書の申請者欄に「住民登録の住所」、そして使用の本拠の位置欄には実際に住んでいる「単身赴任先の住所」を記載して申請するようにします。そして、使用の本拠の位置である「単身赴任先の住所」については、住民票などで証明ができない住所となるので、実際に生活を営んでいることを警察署の方で確認できるようにするため、車庫証明申請の際に添付資料として所在証明が必要になります。
所在証明の詳細については、車庫証明の所在証明に使える書類は何?をご覧下さい。
車を自動車販売店から購入した場合や車庫証明を行政書士に依頼した場合などは、申請書の書き方を教えてもらったり、適切に申請を代行してもらえますが、個人売買や住所変更など自分ですべて対応する場合は特に注意が必要です。
覚えておくべきことは、「車庫証明の申請者欄」と「車検証上の使用者欄」はイコールでなければならず、その住所はいずれも住民票の住所にすると言うことです。その前提を意識しておくと住民登録のない単身赴任先での申請などイレギュラーなケースにも対応できるかと思います。
車庫証明の申請者欄には住民票の住所を記入する。
住民登録のない単身赴任先などで使う車の購入は要注意。
例えば、福岡に住民票があり、単身赴任先の東京で使う車を購入した場合、車庫証明の申請者欄には「福岡の住所」を記入。使用の本拠の位置欄には「単身赴任先の東京の住所」を記入する。
そして、単身赴任先の東京に生活の拠点があることを証明するため、公共料金の領収書等を所在証明として添付する。
法人申請のポイントについては、「法人で車庫証明を取得するときに気をつけておきたいこと」をご覧下さい。