【福岡運輸支局版】ナンバー変更を伴わない普通車の名義変更(移転登録)手続きの流れ
小池行政書士事務所では普通車の名義変更および住所変更を承っております
目次
同じナンバーの管轄ではナンバーの変更は必要ない
車の名義変更には様々なパターンがありますが、ここでは普通車(登録自動車)の「ナンバー変更(交換)を伴わない名義変更(移転登録)の流れ」について解説したいと思います。
例えば、
- 福岡市に住んでいるの方(旧所有者)から同じ福岡市に住んでいる方への名義変更
- 春日市に住む親から宗像市に住む子へ、親子間の名義変更(春日市と宗像市は同じナンバー管轄)
- 福岡市内で営業する法人間での名義変更
などがあたります。
つまり、同じナンバーの管轄であれば名義変更の際にナンバーの交換は必要ありません。
ただし、希望ナンバーや図柄ナンバーにする場合は、ナンバープレートの変更が伴います。ナンバーの変更が伴うケースについては、「普通車でナンバー変更がある場合の名義変更(移転登録)手続きの流れ」をご覧下さい。
ナンバーの変更がない場合の手続きは、名義変更の中でも最もシンプルなパターンに属します。ご自身にあてはまる場合は参考にしていただければと思います。
なお、ここでは福岡運輸支局での手続きの流れ(窓口番号を含む)を例に解説させていただきます。他の運輸支局等では流れが異なる場合がありますので、あしからずご了承下さい。
また、新所有者と新使用者が同じ人で、新所有者(購入したり、譲受けた人)が手続きするケースを想定した流れになります。
管轄の運輸支局について
名義変更の手続きをする場所は、「新所有者」の住所地(自宅などの使用の本拠の位置)を管轄する運輸支局、または自動車検査登録事務所です。
福岡ナンバーは「福岡運輸支局」
(管轄区域=福岡市、春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、宗像市、福津市、古賀市、糸島市、那珂川市、糟屋郡)
北九州ナンバーは「北九州自動車検査登録事務所」
(管轄区域=北九州市、行橋市、豊前市、中間市、遠賀郡、京都郡、築上郡)
久留米ナンバーは「久留米自動車検査登録事務所」
(管轄区域=久留米市、大牟田市、柳川市、朝倉市、八女市、筑後市、大川市、小郡市、みやま市、うきは市、朝倉郡、三井郡、三潴郡、八女郡)
筑豊ナンバーは「筑豊自動車検査登録事務所」
(管轄区域=直方市、飯塚市、田川市、嘉麻市、宮若市、鞍手郡、嘉穂郡、田川郡)
が管轄となります。
お住まいの住所がどこの管轄にあたるのか事前に確認しておきましょう。
STEP1 書類を準備しよう
下記(1)~(3)の必要書類について、準備する順番は特に問いません。並行しても順次でも構いませんので、できるところから準備しましょう。
ただ、車庫証明の有効期限が「おおむね1か月以内」となっていますので、早く取りすぎて名義変更時に有効期限切れしてしまわないように注意して下さい。
(1)車庫証明を取得
車の名義変更をする際は、まずは車庫証明を取る必要があります。
なぜなら、名義変更するには車庫証明を運輸支局に提出(添付)する必要があるからです。
そのため、まずは新所有者(新所有者と新使用者が異なるときは新使用者)の車庫証明が必要になります。
なお、名義変更や住所変更などでは、自宅などの「使用の本拠の位置」を基準に管轄の運輸支局が決まりますが、車庫証明は「保管場所の位置」を管轄する警察署が申請先になります。
このように車庫証明と名義変更では、申請する行政庁や手続きが異なるため、管轄を判断するための対象位置が異なります。ごっちゃにならないように気を付けて下さい。
一戸建ての車庫に停める場合はいいですが、月極駐車場を借りる場合は、少し離れるだけで別の管轄になるケースもあります(特に市や区の境界付近に自宅等がある場合は要注意です)。二度手間にならないよう管轄はしっかりと確認するようにしましょう。
車庫証明の必要書類
車庫証明で準備する書類は次のとおりです。
●車庫証明の必要書類
- 自動車保管場所証明申請書(2枚)
- 保管場所標章交付申請書(2枚)
- 保管場所の所在図・配置図
- 保管場所使用権原疎明書面として以下のいずれか
- 自認書(保管場所が自己所有の場合)
- 保管場所使用承諾証明書(保管場所が他人所有の場合)
自動車保管場所証明申請書(2枚)と保管場所標章交付申請書(2枚)は、4枚つづりの複写式になっていますので、警察署で配布されているものを使用する場合は、実質1枚書けば完成します。
インターネットから申請書を印刷して使用する場合は、「自動車保管場所証明申請書」を1枚書いて、あとは他の3枚に転記すれば完成します。
申請書の書き方や車庫証明取得の流れについては、「車庫証明申請書等(普通車)の書き方」や「【福岡県版】自分でできる!車庫証明の取り方と手続きの流れ」を参考にして下さい。
自動車保管場所証明申請書が、いわゆる車庫証明の申請書です。提出した2枚のうち、1枚を運輸支局提出用の車庫証明書として交付されます。
車庫証明の申請と受け取り
書類が揃ったら、管轄の警察署へ書類を提出しますが、車庫証明は申請してすぐに交付されるわけではありません。
申請後、警察署の方で保管場所の実地調査を行ったのち交付されますので、交付予定日、または交付予定日以降にもう一度警察署に行く必要があります。ちなみに、福岡県の交付期間は、警察署によって異なり、早いところで中1日(3営業日)、遅いところで中3日(5営業日)となっています。
名義変更で車庫証明を添付しなくてよいケース
名義変更の手続きで車庫証明が不要なケース(省略できるケース)もあります。
例えば、同居の夫婦間・親子間の名義変更、住所が同じ法人間の名義変更、所有権解除(使用者の住所に変更がない場合)を行う場合などです。
つまり、名義変更前後で「使用の本拠の位置」に変更がない場合は車庫証明が必要ありません。
ただし、車検証上の住所と旧所有者の現在の住所が異なるときは、車検証上の住所と新所有者の「使用の本拠の位置」が異なることになりますので、車庫証明が必要になります。
不要な場合は、車庫証明以外の下記(2)(3)の書類が揃ったら運輸支局に行きます。
(2)車の旧所有者から必要書類をもらう
運輸支局に提出する書類として、車の旧所有者から次の書類をもらいます。車屋さんから購入した場合、普通は車屋さんが書類を準備してくれます。
●旧所有者からもらう書類
- 車検証(原本)
車検が切れている場合は、名義変更できません。先に車検を受ける必要があります。 - (旧所有者の)印鑑証明書
発行日より3ヶ月以内のもの。
印鑑証明書の住所と車検証上の住所が異なる場合(転居など)は、印鑑証明書の住所とのつながりを証明するために別途住民票や住民票の除票などを用意してもらう必要があります。 - 譲渡証明書
旧所有者の押印は、印鑑証明書の実印である必要があります。 - 委任状
委任者(旧所有者)の押印も印鑑証明書の実印である必要があります。
これらの書類が揃えば、あとは新所有者(自分)の書類を準備します。
ちなみに、車屋さんから購入した場合は、購入者自身で名義変更の手続きをするケースは少ないです。多くは車屋さんから行政書士に代行を依頼するので、購入者は手続きする必要はありません。
そのため、自分で手続きする(したい)場合は、通常「自分で手続きしたい」旨を申し出る必要があります。
逆に個人売買のケースでは、購入者自身で手続きするケースが多いかと思います。購入者自身で手続きできない場合は、行政書士に代行を依頼して名義変更する方法もあります。もちろん、家族などに代理で手続きしてもらうことも可能です。
(3)新所有者が準備するもの
運輸支局に提出する書類として、新所有者(自分)が準備する書類は次の通りです。
●新所有者(自分)が準備する書類
- (新所有者の)印鑑証明書
発行日より3ヶ月以内のもの。 - 車庫証明書 ※上記(1)で取得したもの
発行日より1ヶ月以内のもの
書類ではありませんが、新所有者自身が手続きする場合は、これに加えて、自分の実印も持っていきます。申請書に実印を押印する必要があるためです。
STEP2 書類を持って運輸支局へ
上記の書類が揃ったら、それらを持参して管轄の運輸支局へ行きます。
(1)自動車税申告書を作成
運輸支局に到着したら、自動車税の申告をするために、まずは自動車税申告書を作成(記入)します。
※福岡運輸支局では、自動車税の申告を先にする必要があります。
税の申告は、福岡運輸支局そばの「陸運会館」で行います。
申告書の提出は陸運会館2階の11番窓口です。申告書も同階に備え付けられています。
書き方は、記入コーナーに掲示してありますので、それを見て記入すればスムーズにいくと思います。多くが車検証や印鑑証明書からの転記になりますので、それらの書類を見ながら記入していきましょう。旧所有者の住所・氏名も記載しますので、旧車検証をコピーしておくとスムーズにいきます。
書き方が分からない場合は、窓口の方に聞けばやさしく教えてくれます。ただ、間違っている箇所で修正がきく部分は、窓口の方が確認の際に修正してくれますので、あまり神経質にならなくてもいいかも知れません。
税がかかる場合は、金額が提示されるので納付します。
(2)印紙を購入
税の申告が終わったら、陸運会館1階の印紙売り場で検査登録印紙を購入します(先に購入しておいても大丈夫です)。名義変更(移転登録)は500円です。
購入したら、備え付けられている手数料納付書の印紙貼付欄に印紙を貼ります。
手数料納付書には、登録番号、所有者(新所有者)の氏名、申請人(または申請代理人)の氏名を記入する欄がありますので、それぞれ記入します。
(3)移転登録の申請書(第1号様式)を作成
運輸支局の建物に移動して、名義変更(移転登録)の申請書を作成(記入)します。
移転登録の申請書は、運輸支局内に備え付けられている「第1号様式」です。
書き方は、記入コーナーに掲示してありますので、それを見て記入すればスムーズにいくと思います。
書き方が分からなければ、3番の相談窓口で担当の方が丁寧に教えてくれます。相談窓口混んでいるときは、受付番号の紙を取ってしばし待ちます。
記入が終わったら、移転登録申請書(第1号様式)と手数料納付書、そして持参した書類をまとめて1番窓口に提出します。
問題が無ければ、2番窓口で名前が呼ばれますので、新しい車検証を受け取り手続き完了です。
丁寧に進めれば大丈夫!
名義変更の手続きは、月末や年度末など混んでいるときは待ち時間が長くなりますが、そうでないときは1時間以内で終わることが多いです。
ただ、初めての方は名義変更だけでも、頭をフル回転しながらの手続きになるので、終った頃にはグッタリするかも知れません。
でも、焦らず丁寧に進めていけば、手続き自体は必ずうまくいきます。
準備した書類に不備があれば出直しになることもありますが、事前準備も警察署や運輸支局に確認を取って丁寧に進めれば、書類の不備や不足も未然に防ぐことができます。
書類さえきちんと揃っていれば、あとは運輸支局に行けば相談窓口で教えてもらうこともできますし何とかなります。
ご自身で手続きされる場合は、流れを参考に丁寧に進めてみて下さい。きっと大丈夫!